【2世帯住宅の考え方の相違】茨木市のハウスクリーニングの事例
更新日:2025年02月21日
心のすれ違いと掃除のあとで
朝の日差しが、大阪・茨木市の住宅街にゆっくりと差し込んでいた。庭の植木鉢は夜の湿気を含み、玄関のポストには新聞が無造作に差し込まれている。カーテンの隙間から入る光が、キッチンのテーブルを優しく照らしていた。
この家は二世帯住宅だけど、完全に分かれているわけではない。老夫婦と若夫婦、それぞれの生活があるが、交わる場所も多い。そのひとつがキッチンだった。料理の準備をしたり、家族で会話をする場所。しかし、時々、小さなすれ違いが生まれることもあった。
「自分で掃除したらええのに」
台所の隅から聞こえたのは、義父のぼやきだった。若夫婦の妻、美咲は手を止めたが、すぐに笑顔を作った。義父の気持ちを考えると、あまり強く反論したくなかった。
「そうですね、お義父さん。でも、プロに頼んだほうが、きっとピカピカになりますよ」
できるだけ明るく返したが、少しだけ緊張していた。今日はハウスクリーニングの業者が来る。共働きのため、家にいられない美咲と夫の翔太は、鍵を預けてキッチンを掃除してもらうことにしていた。
世代の違いを感じる共働きの妻
その夜、美咲は翔太にそっと相談した。
「ねえ、翔太くん。お義父さん、掃除のこと気にしてるみたい。頼まないほうがいいのかな?」
「え、何で?」
翔太はソファに座ったまま、美咲を見上げた。美咲はスマホをいじりながら、ため息をついた。
「今日も『自分でやればええのに』って言ってたの。本当は嫌なのかな……」
「でも、美咲が気になるなら頼んでもいいんじゃない?」
「うん……でも、勝手に決めていいのかなって……」
翔太は少し考えて、美咲の肩を軽く叩いた。
「俺は美咲がやりたいようにすればいいと思うよ。実際、きれいになったらお義父さんも気持ちよくなるかもしれないし」
美咲は少し笑い、深く息を吐いた。
「……そうだね、お願いしてみる」
キッチンには換気扇の油汚れ、コンロの黒ずみ、調味料の飛び散った跡があちこちにある。いつも見慣れているはずなのに、気になりだすと落ち着かない。時間がたつほどに、汚れが家そのものに染み込んでいくように思えた。
ハウスクリーニングの日
翌日、チャイムが鳴った。ハウスクリーニングを依頼したおそうじ革命茨木彩都店のスタッフの車が門の前に止まった音がする。
「さて、どんなもんやろな」
義父が小さくつぶやいた。美咲は表情を崩さず、玄関へと向かった。
数時間後、掃除が終わると、義父が台所へ入った。
「……ほう」
驚きと戸惑いが混ざった声を漏らした。換気扇はピカピカに輝き、コンロは新品のように黒光りしている。シンクの曇りも消え、蛇口が光を反射していた。
「いやぁ、すごくきれいになりましたね」
業者の男性がにこやかに話しかける。義父は腕を組み、ゆっくりとうなずいた。
「こんなに汚れとったとは思わんかったわ」
「長年の汚れって、気づかないうちにたまっちゃうんですよね。でも、これで料理もしやすくなりますよ」
義父はシンクに手を伸ばし、小さく息を吐いた。
「……昔はワシも料理しとったんや。でも、いつの間にか全部任せっきりになってな……こんなになるまで気にもせんかった」
業者は静かにうなずきながら、片付けを進めた。義父の言葉には、どこか懐かしさと少しの後悔がにじんでいた。
その後、リビングでお茶を飲みながら、家族みんなで今日のハウスクリーニングの話をしていた。
「ピカピカになったね、気持ちいいわ」美咲が言うと、翔太もうなずいた。
「ほんまやな。やっぱりプロは違うな」
すると、義父がぼそっとつぶやいた。
「……ワシの部屋も頼もうかのう」
その言葉に、一瞬の沈黙のあと、全員が吹き出した。
「お義父さん、さっきまで『自分でやればええ』って言ってませんでした?」翔太が笑いながら突っ込むと、義父も肩をすくめて笑った。
「そらまあ、こんなにキレイになるなら、頼んでもええかなと思ってな」
美咲も思わず笑いながら、「気持ちが変わったんですね」と言った。
義父はお茶をすすりながら、「まぁ、ええんちゃうか」と、どこか照れくさそうにつぶやいた。
家族の間に流れる空気は、どこか柔らかく、温かかった。