次亜塩素酸ナトリウム
更新日:2025年04月18日
次亜塩素酸ナトリウムは、衣料や食器の漂白などによく使われている成分ですが、哺乳瓶の除菌やまな板、クロスなどの調理器具の除菌・漂白、さらには野菜の除菌など、食器衛生の分野でも幅広く使われている優れた除菌成分です。
なぜ様々な所の除菌に、次亜塩素酸ナトリウムが使われているのか、次亜塩素酸ナトリウムがはなぜ優れた除菌成分といえるのでしょうか。
水道水の原水となる湖水や河川なは、様々な病原微生物が存在します。
そのため、水道水にもその様な病原微生物が含まれる恐れがあることから、水道法の規定により塩素による消毒が義務付けられています。
そこで活用されているのが次亜塩素酸ナトリウムがです。
塩素消毒に使用される塩素のうち、次亜塩素酸ナトリウムがは97%を占め、液化塩素をしようしているのは、全体のわずか3%です。
液化塩素と次亜塩素酸ナトリウムは、まとめて遊離塩素と呼ばれますが、簡略的に塩素と表記しています。
日本では、蛇口から出る水道水の中に0.1㎎/Ⅼ以上の塩素が残留していることが義務付けられています。
水道水中に塩素が残留していることは、適切に消毒が行われていることを示しており、安全の証なのです。
水泳用プールの衛生管理において、厚生労働省、文部科学省のいずれにおいても、ヒト由来の病原菌や汚れを消毒することを目的に塩素消毒が義務付けられています。
そのなかで、多く活用されているのが次亜塩素酸ナトリウムです。
また、公衆浴場の衛生管理を目的とした厚生労働省の公衆浴場における衛星等管理要領によると、浴槽水の消毒にあたり、塩素系薬剤の使用を定めており、浴槽水中の塩素濃度を頻繁に測定して、通常0.4mg/Ⅼ程度を保つとともに、最大1.0mg/Ⅼを超えないよう定めています。
ここで定められている塩素系薬剤として次亜塩素酸ナトリウムが使われています。
調理工場から飲食店まで、食品を扱う施設において、食中毒などを引き起こすウイルス・菌の不活化は非常に重要です。
厚生労働省による大量調理施設衛生管理マニュアルによると、食材の殺菌は十分な洗浄と加熱消毒が基本ですが、加熱せずに提供される生野菜や果物、生魚などの生鮮食品の場合、流水で十分に洗浄するとともに、次亜塩素酸ナトリウムなどによる殺菌が推奨されています。
そのほか、調理器具や容器の使用後は、十分な洗浄とともに加熱消毒や、次亜塩素酸ナトリウムをはじめとした塩素系消毒剤での消毒が求められています。
次亜塩素酸の消毒剤としての歴史は古く、訳170年間にも及ぶ長い歴史があり、工業的に製品化された次亜塩素酸ナトリウムにはその歴史に裏打ちされた信頼感があります。
また、次亜塩素酸ナトリウムには、優れた除菌力に加え、洗浄力や脱臭効果、漂白といった非常に幅広い効果があります。
これらは、エタノールにはない効果でもあります。
そういったことが相まって、身近な様々な場所で使われています。
次亜塩素酸ナトリウムは、それぞれ推奨される使用濃度が決まっています。
用途に応じて適切な濃度で使用することが最も重要です。
なお次亜塩素酸ナトリウムは、多くの医療機関において主に医療機器の消毒にも使われています。
命の誕生する多くの産婦人科でも同様です。
皆さんが生まれた時から触れる非常になじみの深い除菌成分が次亜塩素酸ナトリウムといえるのではないでしょうか。
次亜塩素酸ナトリウムは、衣料や食器の漂白などによく使われている成分ですが、哺乳瓶の消毒やまな板、クロスなどの調理器具類の除菌・漂白、野菜の除菌等、食品衛生の分野でも広く使われています。
次亜塩素酸を含む製品には、用途の異なる多くの種類があり、注意点も異なりますので使用するときには必ず各製品の添付文書やラベルなどを確認の上、使用場面や目的に合わせて使い分けましょう。
食品添加物の基準を満たした次亜塩素酸ナトリウムは、、食品など直接口に入れる食材への使用ができる一方、その濃度によっては、高い作業効果から肌を傷つけてしまうことも。
正しい使用濃度を守りましょう。