除菌・殺菌・滅菌なにが違うの?
更新日:2025年04月06日 ご家庭向け
除菌・殺菌・滅菌なにが違うの?
ここ数年、日常生活で「除菌」「殺菌」「滅菌」という言葉を耳にすることが増えましたね。
この言葉の違い、よく分かりませんよね。
私も前職で救急隊員の資格を取得するまでは、すべて同じ意味合いにとらえていました。
これらはすべて微生物を制御する方法ですが、用途や効果に違いがあります。
とはいえ、私もみなさまにしっかりと教えられるほどの知識まではありませんので簡単に調べてみました。
1 除菌とは
除菌とは、表面や空間からから目に見えない菌や汚れを減らすことを意味します。通常、清掃や洗浄の一環として行われ、特定の菌を完全に殺すわけではありませんが、菌の数を減らすことで衛生状態を改善します。
家庭での掃除や手洗いに用いられる言葉です。
主な除菌方法
・ アルコール(エタノール)による拭き取り
・ 次亜塩素酸水の使用
・ 空気清浄機や加湿器による空間除菌
・ 石鹸や洗剤を使った洗浄
2 殺菌とは
殺菌は、菌そのものを殺すことを目的としますが、すべての菌を完全に除去するわけではありません。
特定の菌を減らすことを目的としているため、医療や食品業界でよく用いられます。
主な殺菌方法
・ 消毒用アルコール(70%以上)
・ 塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)
・ 紫外線(UV-C)照射
・ 煮沸(熱水処理)
3 滅菌とは
滅菌は、すべての微生物や菌を完全に死滅させることを意味します。
病院や研究所など、無菌状態が必要とされる場所で行われる処置です。
主な滅菌方法
・ 高温高圧滅菌(オートクレーブ、121℃・15分)
・ ガス滅菌(エチレンオキサイドガス)
・ プラズマ滅菌
・ 放射線(ガンマ線)滅菌
まとめ
ちなみに、「消毒」は、有害な微生物を殺すか、繁殖を抑える行為を指します。主に病原菌やウイルスに対して行われ、感染症予防が目的です。例えば、アルコールや次亜塩素酸などが使用されます。
また、「抗菌」とは、菌の増殖を防ぐことを指します。抗菌加工された商品(抗菌マスクや抗菌フィルムなど)は、菌が付着しにくい素材でできているかコーティングされ、菌の増殖を遅らせています。これは、長期間にわたり衛生状態を保つために役立ちます。
最後にかんたんに
「除菌」は、日常の清掃で汚れや菌を減らす手段。
「殺菌」は特定の菌を死滅させ、主に医療や食品分野で使われる。
「滅菌」は、すべての微生物を死滅させる医療や研究分野で重要な方法。
「消毒」は感染症予防のために病原菌やウイルスを死滅させる。
「抗菌」は、菌の増殖を抑える製品で、長期的な衛生管理に役立つ。
日常で「滅菌」という言葉は、あまり使わないと思いますが「除菌」、「殺菌」及び「消毒」と言っても会話が成立しますので「それは意味が違うよ」とまではならないと思います。