除菌について
更新日:2025年04月11日 ご家庭向け
新型コロナウィルス感染症の流行で、身の回りを除菌する習慣が日常的になりました。
除菌とは、一般的に細菌やウィルスの数を減らすことをいいます。
細菌は、生育に適した温度と湿度、それに栄養源があれば細菌自身でどんどん増殖していきます。
一方、ウィルスは細菌よりもさらに小さく、単独では増殖できないのが特徴です。
そのため、最適な環境があっても、他の生物に寄生しなければ増殖できません。
一般家庭で使われる除菌成分は、おもにアルコールと次亜塩素酸ナトリウムです。
アルコールは短時間で除菌効果を発揮し、ほとんどの細菌を除菌できますが、一部のウイルスには効きません。
短時間で揮発するため、使用後に乾かしたり拭き取ったりする手間がいらないのはうれしいところです。
ただし、濡れた場所に使うとアルコール濃度が下がってしまうので、十分な効果が得られません。
また、引火する性質があるため、キッチン付近での使用は控えるのが無難です。
アルコールでは十分に除菌できないノロウィルスやロタウイルスには、次亜塩素酸ナトリウムが効果的です。
家庭環境に存在する様々な細菌にも幅広く対応でき、食品添加物に指定されている成分を選べば口に入るものや食材の除菌にも使用可能です。
ただし、除菌効果を発揮した後、揮発するまでにやや時間がかかるため、使用後に時間をおいて乾かしたり綺麗な布で拭きとったりするひつようがあります。
ウィルスが付着した衣類を除菌するためには、次亜塩素酸ナトリウムの濃度の高い塩素系漂白剤も有効です。
ただし、衣類の色や柄が漂白される恐れがあるため注意が必要です。
また、使用に当たり十分な換気が求められます。
他の成分を混ぜ合わせると、塩素ガスが発生して中毒症状を起こす危険性もあるため、注意書きをよく読んで使用しましょう。
細菌やウィルスの感染リスクを軽減するためには
こまめな手洗い
除菌の基本は正しい手洗いです。
石鹸と流水でよく洗い流せば、細菌やウィルスは物理的に剥がれていきます。
外出先から帰宅したときや調理の前後、食事前、トイレの後など、こまめな手洗いを心がけましょう。
特に、高齢者や乳幼児といった免疫力の低い人ほど、手洗いの頻度を高めましょう。
手洗いで洗い残しがちな部位は指と指、爪の間です。
指を組んでこすったり、手のひらに爪を立てるようにしたりして、念入りに洗います。
そのうえで、除菌製品を使えば、細菌やウィルスをぐっと減らすことができるでしょう。
細菌やウィルスを家に持ち込まない
感染リスクを軽減するためには、外から家の中に細菌やウィルスを持ち込まないことが大切です。
帰ったらまず手洗い・うがい。
着ていた上着は玄関で脱ぎ、洗濯または除菌スプレーをかける。
外で使ったバッグやスマートフォンは除菌シートで拭き取る。
手洗い前に触った玄関やリビングのドアノブなどを除菌する。
人が密集した感染リスクの高い場所に出かけたときは、玄関から浴室に直行して、そのままシャワーを浴びるとよいでしょう。
また、外出先では、不特定多数の人が触るものをむやみに触らないことや、お金のやり取り後に手指を除菌しておくと安心です。
細菌やウィルスを家で増やさないために
キッチン
食材を扱うキッチンは、何時も清潔にしておきたい場所です。
調理を始める前は、まな板や包丁に除菌スプレーをひとふきしましょう。
使った後もよく洗って除菌し、しっかり乾かしましょう。
小さなキズが付きやすいまな板は、熱湯消毒すると安心です。
常に湿っている水切り籠や使ったまま放置しているふきんも要注意です。
ふきんやスポンジに細菌が付いていると、周囲にどんどん広げてしまいがちです。
また、冷蔵庫のような低温環境で増殖する細菌もいるため、除菌スプレーで庫内を定期的に掃除しましょう。
トイレ
感染症を引き起こす細菌やウィルスは、咳やくしゃみといった飛沫以外に、排泄物にも多く含まれています。
だからこそ、トイレのこまめな掃除と除菌は必須です。
床の四隅に溜まったゴミやホコリなどにも、細菌が住み着くので念入りに掃除してください。
小まめな換気を心がけ、便器の中だけでなく便座やドアノブなども除菌しましょう。
掃除は手袋をつけて行い、終わった後は十分な手洗いと手指の消毒を忘れないようにしましょう。
スマートフォンやパソコン
スマートフォンやパソコンは、外でも使うことが多いため、たくさんの細菌やウィルスが付いている可能性があります。
これらの製品は、こまめに除菌する習慣を身に付けましょう。
また、よくやりがちですが、スマートフォンを食事中に触るのは、細菌やウィルスを身体に取り込む恐れがあるため避けましょう。
除菌製品の有効期限は、除菌成分が正しく効果を発揮する期間を示したものです。
未開封でも、時間が経つと成分が揮発したり変質したりする可能性があります。
それでは細菌やウィルスを十分に取り除くことができません。
使用期限は、パッケージの底などに記載されています。
期限をしっかりとチェックして、その期限内に使い切るようにしましょう。